初任者研修の経験はいつ役に立つ?資格取得のメリットとは
高齢化社会に今、介護職は需要の高い仕事です。これからも、どんどん需要は増え続けると考えられています。介護職は人の役に立ち、やりがいもあります。介護職の中には、直接介護をする人もいれば、管理業務をする人もいます。介護職につくために、どのような資格をとればよいか迷いますよね。今回は、介護職員初任者研修についてご紹介します。
介護職員初任者研修とは
介護の仕事は、職場や業務内容によっては無資格でも働けます。無資格の場合、介護助手として、有資格者のサポートを行うことになります。利用者の掃除や洗濯、買い物などの生活援助の仕事が中心となり、身体介護はできません。資格をとることで、身体介護を行えるようになります。
初任者研修は介護職員の入門の資格です。介護の基本的な知識や技術、考え方を学べます。初任者研修を修了すると、身体介護サービスを行えるようになります。
身体介護とは、食事介助、入浴介助や排泄介助などです。初任者研修は、ほかの資格に比べて受講科目、受講時間が少なく、最短1~2か月程度で取得できます。その分、費用も安くすみます。修了試験を受けて、資格取得できます。講義や演習、実技を受講しますが、試験は筆記試験のみになります。
初任者研修は、旧ヘルパー2級と同等の資格ですが、旧ヘルパー2級資格では試験がなかったのに対し、初任者研修では試験があるというのが違いです。ただし、試験は難問というのではなく、全過程を振り返るような内容の試験であるため、普段からきちんと受講して試験に臨みましょう。
介護職員初任者研修を取得するメリット
無資格と比べて身体介護ができる分、仕事の範囲が広がります。介護施設だけでなく、訪問介護など多くの場で活躍できるため、就職にも有利です。施設によっては、無資格よりも給与が上がることがあります。
初任者研修は、介護の仕事の経験がまったくなくても研修を受けて資格をとれるため、介護資格の中でもっともとりやすい資格です。受講科目や時間が少ないため、なるべく早く修了して働きたい方におすすめです。仕事をしながら学ぶなど、時間に余裕があまりなくても受講しやすくなっています。
また、介護業界で働くか迷っている方にもおすすめです。まずは初任者研修を受講して介護を知るところから始めて、介護に興味を持ち、実際に働いてみて介護の仕事を続けてみたい、スキルアップしたいと思ったらほかの研修を受講するのもよいでしょう。
介護職はキャリアアップしやすい!仕事の将来性について
介護職には、さまざまな資格があります。介護職員初任者研修の後は、実務者研修があります。介護福祉士を目指している方、リーダーや責任者になりキャリアアップを目指している方など介護業界で活躍したい方は実務者研修がおすすめです。さらに、国家資格である介護福祉士の資格もあります。介護福祉士になると、より質の高い仕事ができ、待遇もよくなります。
介護職のトップは介護福祉士と思う方もいるかもしれませんが、実は一定の実務経験を積むとほかにもとれる資格があります。通称ケアマネージャーと呼ばれている介護支援専門員の資格です。
介護支援専門員は、介護保険のスペシャリストで利用者と介護サービス事業者との間にたって調整をするお仕事です。ただし、試験を受けるには介護福祉士として5年以上の実務経験が必要です。
次に、社会福祉主事任用資格です。民間の病院や介護施設などで医療ソーシャルワーカーや生活相談員として働けます。社会福祉主事任用資格を取得後、地方公務員に合格すると社会福祉主事になれます。社会福祉主事になると、地方自治体の福祉事務所に配属され、高齢者や障がい者のサポートを行えます。
また、過去10年間の間に認知症ケアに関する施設、団体、機関などで認知症の方に関わる実務経験が3年以上あれば、認知症ケア専門士の資格試験を受けられます。認知症ケア専門士の方は、介護保険施設、グループホーム、有料老人ホームなどで認知症の方に直接関わる現場で働くことが多く、これから更に需要の高まる資格となります。
認定介護福祉士は、民間資格で介護福祉士の上位資格となる資格です。試験を受けるためには、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要です。そのうえで、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が実施している「認定介護福祉士養成研修」を受講する必要があります。
認定介護福祉士を取得すると、リーダーへの教育指導役や施設や事業所のサービスマネージャーにもなれます。地域やほか専門種との連携で介護サービスの中心的役割も担います。キャリアアップを考えている方にはおすすめの資格です。
最後に、医療介護福祉士といって、一般社団法人日本慢性期医療協会が認定を実施している民間資格です。慢性疾患や神経疾患を抱える方や高度障がい者のための勉強をして、介護の質の向上をはかります。
取得条件は、介護福祉士として1年以上の実務経験があることです。このように、介護職といっても、さまざまな仕事や資格があります。自分で資格をとり、キャリアアップできるのが介護職なのです。
まとめ
現在、政府が介護職の処遇改善策をすすめています。介護職はそれだけ求められている仕事です。介護職は、大変なのに給料が安いというイメージがあると思います。実際に肉体労働も多く大変な仕事です。しかし、その分人の役に立てる素晴らしい仕事です。
また、専門性の高いさまざまな資格があるため、キャリアアップしやすい仕事でもあります。自分がどんな場所で、どんな分野の介護がしたいかを明確にし、自分に合った資格取得を目指すことができます。リーダー職や施設長を目指すのもよいでしょう。介護職は、自分の努力次第で、やりがいも持て、キャリアアップも目指せる将来性のある仕事です。